【バケモノの子】キービジュアルからは想像できないストーリー展開と結末!≪ネタバレあり≫
”『時をかける少女』、『サマーウォーズ』、『おおかみこどもの雨と雪』に続く細田守監督による長編オリジナル作品第4作である。細田は前作に続き、自ら脚本も手がける。本作では、バケモノたちの世界にある都市・渋天街を舞台に親子の絆を描いた「新冒険活劇」となっている。”-ウィキペディアより
【レビュー】★★★★☆
【キーワード】異世界/感動/冒険/細田守/アニメーション
細田守の作品ということで期待しながら劇場で見てきました。
子供向けかなと思っていたら、思わず感動で泣いてしまうシーンがあり、想像していた以上に楽しめた。
内容
母親が死んで身寄りをなくした連。親戚から逃げるように家出をして、渋谷をうろついていた。
そこに人間の世界へきていた熊徹達と遭遇。弟子を探していた熊徹に一緒に来ないかと言われ、一度は逸れるが熊徹達を追って化け物の世界へ。
そこで連は九太と名乗り熊徹の弟子になる。
お互い素直じゃないので、はじめはゴタゴタするが、共に生活するうちに弟子と師の関係になっていく。
まぁ、ざっくばらんに一言で説明すると細田監督が描く【千と千尋の神隠し】と言うのがわかりやすいかも。
とは言え連の場合は帰ってきて終わりではなく、大人になった先があって、見る前に想像していたストーリーを大きく裏切ってくれて、面白い。
ここが良かった
OPの引き
CGでの炎の影絵?から語りがはじまり、バケモノの世界の現状を説明される。その部分から一気に話に引き込まれる。
背景
背景がすごく綺麗で見入ってしまう。とくに渋天街の街並み部分はこれから始まる冒険と相まってとてもワクワクした。
大人になるということ
異世界に迷い込んだ冒険で、いわゆる行って帰ってくる系の話だと、主人公が肉体を成長させて戻ってくるのはあまり無いんじゃないかな?自分が知っている中ではなかったので斬新だった。
帰ってきた時の戸籍とか学校の問題とか、リアルで面白い。
大人になった後半部分は賛否両論ありますが、楓との絡みは甘酸っぱさがあって胸がキュンキュンする。この爽やかさは細田さんらしいなぁと思う。
ラストの切り替えし
自分を犠牲?にしてまで熊徹が連を助けようと付喪神になったところは、感動して泣いてしまった。心の剣というワードが伏線になっていて良かった。
気になったこと
なぜ旧宗師が熊徹を可愛がっているのか?
連がなぜ強さに憧れていたのか?家族を拒絶したのか?連の闇はなんだったのか?
ここの描写がもっとあってもよかったな。見ていて何となくはイメージできるんだけどそれに対しての葛藤があまりなかったので盛り上がりに欠けている気がした。
あとは闇落ちした一郎彦の葛藤の描写も欲しかったな。いい奴だったのに大人になったらいきなりトゲトゲしててびっくり(笑)
まとめ
全体的にとても面白かったのだけれど、ストーリーが書ききれていないような気がした。
自分の読解力のなさも原因かも知れないけど、もっと掘り下げて欲しかったというのが素直な感想。
上映が119分で約2時間。
ストーリーが2部に分かれているから145分ぐらいあると丁度良くおさまったんじゃないかと思う。
でもファミリー向けの場合145分は長すぎるし、ターゲットってどうなんだろう?
主観で察すると家族で楽しむ分には丁度良くて、大人が個人で楽しむには少し物足りなさがある感じ。
それほど自分が細田監督に期待して見ているっていうのもあるのだけれど。
アニメのターゲット層は今や大人の方が多い。子供向けで、付き添いの大人も楽しめるではなく、大人向けだけど子供にも理解できる作品が、これから必要とされるのかなぁー
なんて『インサイド・ヘッド』(ファミリー層)を見たので、ターゲット層について考えてしまった。
細田守の世界が体験できる!
▲とは言え、好きなことに変わりはないので、これは是非行きたい!
お盆とかは込んでるだろうから8月最後の週あたりにでも行こうかな?